滋賀県の結婚式

結納の儀について

結婚に先立ち、両家の親族をまじえて結婚の約束を取りかわす「結納」はどの地方にも存在しますが、その結納の日を決めるために、さらに「貴芽酒(きめざけ)」という儀式が存在します。

日取りを決めるから「決め酒」から転じたもの、とも言われています。昔は仲人が酒を持参しましたが、最近は父親が訪問することが多くなっています。

他の地方でも行われるばあいがありますが、別の名称が用いられることが多いようです。

結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?

隣接の京都同様、神社仏閣が多い滋賀県ですが、挙式は神社で行い、ホテルやゲストハウスで披露宴を行うパターンが多くなっています。

両家が地元同士であることも多く、お互いの地元から近いホテルが選ばれています。この傾向は、とくに、湖北地方に強くなっています。

招待人数は平均で54人ですが、大津や草津などは招く人数はやや平均より少なく、湖西湖北地方では、親族の人数が平均をやや上回ります。

引き出物の内容や数について

滋賀県では、3~5品を組み合わせて引出物としています。

ワレモノは縁起が悪いから良くないと一般的には言われますが、現代では、マグカップなどの陶器も人気があり、とくに滋賀名産の信楽焼は喜ばれるようです。

引き菓子には和菓子を用意することが多く、たいていは「嫁入りまんじゅう」や、紅白のお餅が添えられます。湖北地方の長浜市周辺では、「おちつきぼた餅」と呼ばれますが、いわゆるつぶあんで包んだ餅ではなく、紅白のお餅です。花嫁が「家に落ち着くように」というのが由来といわれます。

結婚式の後の風習について

結婚後は、振袖姿の花嫁と、義母が一緒にご近所を回りあいさつをします。

ご近所が、花嫁の持参した箪笥と、中身の着物を見に来ることをに「箪笥見せ」といいます。近年は、結婚するからといって、箪笥いっぱいの着物をそろえることも少なくなってきたので、「箪笥見せ」のためのレンタル着物まで存在するそうです。

また、新居に親族やご近所が訪れて食事をする会を「かまど見せ」と呼ぶ地方もあります。

その他、地域独特の儀式やしきたり

式には参列されなかったけれど、前後に自宅へお祝いを持ってきて下さるお客様には、後日の内祝いとは別に、その場でお礼の印に「お多芽」と呼ばれるちょっとした品を渡します。

「紙製のもの」「昆布」が古来からのしきたりで、例えば、紙ならば懐紙、半紙、レターセットなど、昆布ならば、昆布茶、佃煮などを用意します。

突然の訪問に備え、日持ちのするものをストックしておけるように、こういった品物が選ばれたと言われています。