結納の儀について

 高知県では結納の前に結納の日取りを決める「かため」という儀式を行う伝統があります。

吉日に婿型から嫁方に対して日取りの意向を伝え、了承されればお礼の品として扇子・生草(スルメ)を贈るという内容ですが、現在では片目を行うケースは少なくなっています。

結納品は7または9品が一般的で目録、熨斗、結納金、共白髪、寿恵広子、生婦、御樽料、勝男武士(鰹節)、結美和(指輪)、生草(スルメ)等が送られます。高知県だけに特に鰹節は良い品が選ばれ、結納品の定番となっています。
一部地域では結納のことを「イイレ」と呼びます。

結婚式披露宴について

 御祝い事は盛大にやるのが高知県の流儀なので、結婚式披露宴も盛大なものになります。
一昔前までは旅館や両店を借り切って披露宴を行うことも多かったのですが、最近はホテルや結婚式場で行うのが一般的となっています。

挙式で人気なのは海が見えるチャペルで、オーシャンビューを売りにする式場は大人気です。

高知県の結婚式披露宴の主役は何と言ってもお酒。
元々お酒好きで知られる高知県民は、結婚という晴れの舞台では大いに羽目を外してお酒を飲みます。

他県の人から見ると信じられないような量のお酒が消費されますが、高知県では当たり前の光景です。

結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?

 高知県民には祝い事にはたくさんの人を招いて盛大に行うべきという考え方が根付いており、結婚式披露宴は他県に比べて盛大なものになります。

招待されるゲストの数も多く、全国平均の80人程度しかゲストを呼ばないということはまずあり得ません。

どんなにゲストが少なくても100人以上、ゲストが多い結婚式だと200人以上ということも珍しくありません。特に親戚の招待人数が多く、一族総出で結婚式に出席するのが当たり前となっています。

結婚式披露宴の費用について

 沢山のゲストを招いて盛大な結婚式を行う高知県民ですが、意外なことに結婚式に欠ける平均費用は195万2381円(2010年調査)と全国平均を100万円近く下回る金額です。
なぜこんなに結婚式費用が少ないのかというと、結婚式で一番費用が掛かるゲストの料理に秘密があります。全国的には結婚式の料理といえばフレンチのフルコースなどですが、高知県の結婚式で出される料理は円卓に用意された大皿料理が主流です。

知県独特の皿鉢料理が提供されるためそもそも費用が安く済み、結婚式費用も低くなっているのです。近年はコース料理も増えていますが、まだまだ大皿料理の風習は根強く残っています。

ご祝儀について

全国的なご祝儀の平均金額は友人の結婚式に出席する場合で3万円が目安ですが、高知県ではその3分1の1万円というのがご祝儀相場となっています。全国的にみてもかなり低いご祝儀の額ですが、これは結婚式の料理が他県に比べて安めだというのが理由の一つです。

結婚式自体も宴会のようなくだけた雰囲気のものが多くご祝儀も安めなのですが、最近は徐々に豪華な式を挙げるカップルも増えておりご祝儀も2万円渡す人が多くなっています。